副業で国際協力という新しい働き方#1~NPO法人コンフロントワールド荒井昭則さん~
「副業」で「不条理の無い世界の実現」に取り組むNPO法人コンフロントワールドの代表理事、荒井昭則(あらいあきのり)さんのお話を伺いました。
第一弾では、「NPOと民間企業の両立は可能なのか」をテーマに、
現在の活動や、国際協力に興味をもったきっかけなどについて迫ります!
荒井 昭則 NPO法人コンフロントワールド 代表理事
1994年生まれ。東京都調布市出身。東京工業大学卒業。
学生時代は、カンボジア支援の学生団体に所属しカンボジアで衛生教育などの活動を行う。
大学3年終了時に1年間休学し、『ボランティアをしながら世界一周』を実施。
大学卒業後は、大手人材系企業に在籍しながら、『NPO法人コンフロントワールド』を設立。
ワールド・ビジョン・ジャパン主催『未来ドラフト』グランプリ受賞。
*本インタビューは2020年1月時点での取材内容となります
NPOと民間企業の両立は可能なのか??
コンフロントワールドでの活動
現在の活動について教えてください。
会社員として働きながら、副業でNPO法人コンフロントワールドの代表理事をしています。
現在の活動は、主にアフリカ中心に、ウガンダ北部の南スーダン難民に対して物資の支援やウガンダ南部でトイレや貯水タンクの建設、タンザニアで学校の建設です。
その他にも、ペルーの刑務所で作られた商品や、ウガンダで就労支援を受けた女性が作った小物や家具などを日本で販売しています。
たくさんの活動をしているため、「共通項がない」といわれることがあります。
しかし、私たちのミッションの一つに「情報と選択肢を与えて、人々の社会貢献を後押しする」というものがあるので、社会貢献に対して様々な関わり方をする団体であるべきだと考えています。
現在に至るまでの経緯
これまで国際協力を始めたときから、現在に至るまでの経緯を教えてください。
大学は国際協力に関係ない学部で学んでいたんですが、東南アジアで一人旅をした際、カンボジアがとても印象的で海外に目を向けるようになりました。
そして、そのときに出会った方にカンボジアの国際協力団体に誘われて入ったのが最初のきっかけです。
長期休みを利用してカンボジアなどでボランティアをしていたのですが、もっといろんな国を見たいと思い、休学してボランティアをしながら世界一周をしました。
ケニアの孤児院でボランティアをした時に、子どもが一人亡くなってしまい、「なんでこうなったんだろう」とモヤモヤしました。
そのことが心から離れず、日本に帰国して復学・就職した後も国際協力に関わりたいと思い、副業でNPOの活動をしています。
コンフロントワールドのビジョンである「不条理のない世界」が生まれたきっかけもケニアでの出来事から生まれたのですか?
そうですね。
当たり前ですが、私が殺したわけではないし、その孤児院でボランティアをしていなくても結果は同じだったと思います。
でも、生まれた国や環境が違ったらどうなっていただろうかと思うんです。
このような現状を根本的に変えたいと思いこのビジョンが生まれました。
当団体の「不条理のない世界」というビジョンの副題が「生活と権利が保証され、誰もが自分で未来を決められる社会の実現」です。
おせっかいかもしれないし、偏見かもしれませんが、生活の権利が保証されていない人や自分で未来が決められない人は一定数いると思います。
なので、最低限の生活や未来を保証したいですね。
民間企業に就職した理由
なぜ就職先に民間企業を選ばれたのでしょうか?
就活中は、JICAや国連、開発コンサルなども考えていて、実際に説明会に行きました。
しかし、雰囲気が合わないと思ってやめました。
国連などで働く人は「どのような仕組みが正解なのか」と考えている人が多いように感じましたが、私は泥臭く手を動かして少しづつでも変えていきたいと思っていたんです。
「国際協力に人生を捧げたくて、本業はお金を稼ぐためですよね。」とよく言われるんですけれども、実は本業も自分のやりたいことです。
就活をしているときにサラリーマンの大変そうな姿を見たり、僕自身も国際協力か民間企業かの二択を迫られたり。
もっと自由に楽しく働けたらいいなと思って、日本人の働き方を変えたいと思い人材系の会社に入りました。
なので本業も想いを持って仕事をしています。
働きながらのNPOの立ち上げ
企業に勤めながらどのようにして団体を立ち上げられたのでしょうか?
就職してから一気に団体を創ったのではなく、最初は少し関わるところから始めました。
仕事が落ち着いてからは、有休をとって現地行くようになり、そこから法人化しました。
なので、最初から大胆に行動する必要はなく、小さいことをやり続けるとよいと思います。
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