学生時代に感じたジレンマを活かして#2株式会社KOKUA代表取締役 泉 勇作さん
今回インタビューしたのは、防災カタログギフト事業を行っている株式会社KOKUA代表取締役の泉 勇作さんです。
第二弾では学生時代や当時考えていたキャリア、必要なスキルについて迫ります。
起業に興味があるけど、まだ進路を決めきれていない方、行動したいけどまだできていない方、必見です!!
泉 勇作(いずみ ゆうさく)
幼少期に神戸にて阪神淡路大震災で被災。
その時の記憶は断片的だが、周りの話などから強く災害を意識して人生を過ごす。自分が役に立ちたいと考え、学生時代は災害ボランティアを中心に活動。
新卒で約3000名の人材ベンチャーに入社。その後転職した会社では動画制作事業などを手掛ける。2019年に一般社団法人防災ガールのアクセラレータープログラムに参画し、2020年、防災サービスの開発、販売を行うため独立。チームでは事業責任者として、全体進捗管理、方針策定、意思決定を行う。
*本インタビューは2020年8月時点での取材内容となります
学生時代はボランティアに励む
学生時代はどのような活動をされていましたか
東北をはじめ全国各地で災害が発生する度に被災地に赴き、ボランティア活動に取り組んでいました。
また、起業したいという夢があったので、ビジネスコンテストにも出場していました。
阪神淡路大震災のときは1歳8ヶ月なので、それが強烈な原体験になったというよりは、物心ついて、家族や身近な人から聞くことで災害に対する意識が高まっていきました。
ただ高校生の頃はそんなに意識していたわけではなく、人よりは気にしていたぐらいです。
大学に入学したときが2011年の東日本大震災が起こった年で、それが自分の中では大きな転機だったと感じています。
その当時は僕だけが東北に対して強い想いを持っていたわけではなく、社会全体の雰囲気として、多くの人が東北のために、何かできることを探していたように感じます。
ボランティアに行くと「ありがとう」と言われることも多いのですが、お礼を言われるほど自分は何もしてないなとジレンマに悩まされたことがありました。
どちらかというと、何もできない感覚よりは、被災された方のために、もっと多くのことができるのではないかという悩みを抱えていました。
その当時、自分は学生で時間を割いて体を動かすことでしか提供できるものがなかったので、より強くそう考えていたんだと思います。
当時はどのようなキャリアを考えていましたか
父親が仕事一筋だったため、その影響から将来的には漠然と起業したいと考えていました。
ただ、それよりも災害ボランティアの影響の方が強いと感じています。
被災地で出会う方々の「まさか自分が被災するなんて」といった声をたくさん聞いていたので、防災事業をはじめとしたソーシャルビジネスでいつか起業したいと思っていました。
そのためにまず、成長できる環境に身を置くため、ベンチャー企業に就職しようと考えていました。
あと、就活に対してそんなに深刻に考えていなくて、起業するならどこかのタイミングでするだろうと思っていました。
社会の働き方も変化し、一つの企業でずっと働くことが昔よりも難しくなっています。
だからこそ自分としては将来の起業とつながることができればと思い、最初の会社を選択しました。
必要なスキルは行動力
0から1を作り上げるうえで必要だと感じたスキルはありますか
まだ私たち自身が何も成し遂げていないので、偉そうなことは言えませんが、一つあげるとすれば一番は行動力だと思います。
お客さんに会いに行く、現場に赴いてみる、ちょっと怖いと思う人にも自分から会いに行くことです。
僕自身も起業するまでに多くの経営者の先輩方とお話をしてきました。
その中で、起業をされる方には大きく2つのパターンがあると感じました。
1つは何かスキルを持っている方。もう1つは誰も経験したことのない特殊な経験をされている方です。
その中で、僕はすごく秀でたスキルもなければ、誰も経験したことがないような経験をしたことはありません。
その消去法として、人よりも行動をすることが残りました。
行動できるモチベーションを教えてください。やはり「ワクワク感」というところでしょうか?
今は「誰かのために何かできるように」とか、「必要とされる組織でありたい」とか、そういうものがモチベーションになっていますね。
でも、読者の方の中にはきっと、「自分にはそんなにワクワクできることなんてないよ」と感じる人が多いと思います。
独立された方に話を聞いた際に、本当にそれが好きだったから楽しくってやってたとか、あまり苦労を苦労と思ってない方の意見がありました。
でも、一心不乱にできることを見つけたいけど、それが見つからないという方も多くいると思います。
ワクワクだったりポジティブなモチベーションはありますが、行動できていない状況を打破するためには、「考える前に行動」を意識するのがいいと思います。
大きなモチベーションがない状況で、何かすることは本当に大変です。
嫌とか今日しんどいとか考える以前に体が動く習慣づくりや、自分の中の強制力を高めることで、起業や新たなことを始めるきっかけにできるのではないかと思っています。
そこで一歩踏み出した後に、新しいやりがいやモチベーションが生まれてくるのではないかなと思います。
次回予告
災害ボランティアで感じた悩みや問題意識を活かして、現在も活動されている泉さん。
次回は防災カタログギフト誕生の秘話や裏側に迫ります。
想いを形にしたい、仕事に活かしたいという方、必見です!!
お知らせ
2023年1月17日(火)、自分に必要な防災グッズが1分でみつかるパーソナライズ防災サービス「pasobo(パソボ)」のβ版を1月17日にリリースしました。
正式なサービスリリースは3月11日を予定しており、それまでの期間に一般の利用者や有識者とのヒアリングイベントの開催や、公式LINEなどを活用した意見の吸い上げを行う「誰ひとり取り残さない防災」プロジェクトを実施します。
実施期間:2023年1月17日(火)〜3月11日(土)
URL:https://pasobo.jp/
内容:パーソナライズ防災サービス「pasobo(パソボ)」のβ版リリースに伴い、ヒアリングイベントや公式LINEなどを通じて、一般の利用者や有識者の方々から様々な意見を募集します。人によって対策が異なる防災だからこそ、多様な視点を取り入れることで、誰も取り残さない防災対策の実現を目指します。
パーソナライズ防災サービス“pasobo(パソボ)とは
PASOBO(パソボ)は専用サイト上(WEB版提供のみ)で、家族構成や住居立地、建物の耐震基準・階数、ユーザーが災害時に重視することの価値観などを含む約15個程度の質問に回答するだけで、世帯環境における災害リスクや、全国のハザードマップから見た立地リスクを分析し、ユーザーに必要な防災グッズを個別診断して提示します。
(※β版では診断結果の一部と購入機能を制限しています。)