社会的企業で働く〜そこで求められる姿勢とは#3~ハチドリ電力 小野悠希さん~
みんなのひとしずくが明るい未来を作る
今回は、株式会社ボーダーレス・ジャパンでハチドリ電力の事業統括をされている小野悠希さんにインタビューさせていただきました!
人間と自然が共生できる社会とは?
環境に対する小野さんの取り組みに迫ります!
小野 悠希
1995年兵庫県生まれ。
大学2年生の夏休みに東南アジアを訪れたことがきっかけで、ソーシャルビジネスという世界を知る。
その後複数の社会的企業でインターンを経験し、2018年に株式会社ボーダレス・ジャパンに新卒で入社。
BORDERLESS LINK、iloitooの2社で2年の修行期間を経て、地球温暖化のために絶滅する動植物をなくしたいという思いからハチドリ電力の事業を立ち上げ。
*本インタビューは2020年7月時点での取材内容となります
社会的企業で働く
社会的企業に入ってよかったと感じることは何ですか?
仕事の規模が大きくても小さくても、直接「誰のために・何のために」が繋がっていると実感できるところです。
例えばミャンマーにいたころ、半年間の作付け作業が終わって収穫量が上がったことや収入が増えた話を農家さんから直接聞くたび、「自分たちがやっていることに意味があったんだな」と感じられました。
このような最後の繋がりまで見られるのは、この人たちのために、と事業をつくっているボーダレスならではなのかなと思います。
社会的価値と経済的価値の両立をさせる上で何を意識していますか??
創りたい社会は事業を継続させた先にあるので、利益をしっかりと出すことが大事だと思っています。
利益を出すという面では、他の一般企業と同じくらいシビアな世界です。
ボーダレスジャパンには実現したい社会のために働く人がたくさんいて、外から見ると理想集団のようなイメージがあるかもしれないですが、実態はしっかりと数字を見て経営するビジネス集団です。
ただやはり「とにかく儲けたい」という気持ちではないので、例えばハチドリ電力も利益の部分を最大限少なくし、その分安く電力をお届けできるようにしています。
通常の電力会社は、電気の仕入れ代などに利益をのせていて、電気の使用量によって変動する料金モデルです。
しかし、ハチドリ電力は電気代に利益を全く上乗せせず、運営収入は電気の使用量に関わらず一般家庭なら月額一律500円という料金モデルをとっています。
なので、特に電気の使用量が多い方にとって安くなる可能性が高いです。
できるだけ利益部分を少なくし価格を下げることで多くの人がハチドリ電力を使い、それが地球温暖化防止に繋がっていきます。
行動の大切さ
働く上で今の就活生に取り入れてもらいたい考え方はありますか?
まずは行動力と素直さです。
特に学生のうちにどれだけ行動してきたかは、社会人になってからすごく差が出ます。
例えば、社会起業家になりたいなら、自分で学生団体を立ち上げたり、ビジネスをしてみることもできます。
何かにチャレンジをして一度でも挫折を経験していると、小さなプライドを捨てることができて、なにか指摘されたときに素直に自分を変えることができると思っています。
自分を変えることがができるかできないかで、社会人になってからの成長スピードが変わります。
次に愚直さです。
イノシシのようにまっすぐに、何が何でもやりたいという気持ちを持っている人は強いです。
学生の間はいろんなことを経験する時間があると思うので、この間に色々な経験をして自分のやりたいことを見つけることが愚直さに繋がるのではないかと思っています。
また、ボーダレス・ジャパンは採用をするとき、その学生がなにができるかというスキルは見ていません。
学生のできることというのは本当に微々たるものだと思います。
なので、スキル云々よりも、入社してからの成長スピードの方が圧倒的に大切だと思っています。
応援メッセージ
社会課題に関心がある就活生に向けてメッセージをお願いします。
時間を気にせず行動できるのは学生の特権だと思うので、とにかく興味のあることにどんどん飛び込んでいって欲しいなと思います。
何が何でもやりたいと思える覚悟を持てるものに出会えると強いです。
また、自分のやりたいことを見つけたらその道以外のところで経験を積むのではなく、自分のやりたいことの道で経験を積んでいくといいと思います。
例えば社会起業家になりたいという想いがあったときに、スキルアップのために大企業に就職するという選択肢もあるのですが、自分で事業を始めようとしたときに必要なスキルは、分業化された企業で学べるものとは別物です。
だから、一番近道で自分のやりたいことにそのまま突き進んでいくことが大切だと思います。