【社会貢献×エンタメ】型破りな就活エピソード#2〜テレビ朝日 郭晃彰さん〜
今回インタビューしたのはテレビ朝日の郭晃彰さん。
第二弾では、テレビ局を選んだ理由と型破りな就活テクなどをお聞きしました!
メディアに就職を希望している方も、面接が不安な方も、就活を乗り越えるヒントが見つかりそうです!
郭 晃彰(かく てるあき)
神奈川県出身 早稲田大学人間科学部卒業
2010年テレビ朝日入社
早朝番組でAD・ディレクターを経験
2013年から社会部記者
2015年からは気象庁で災害報道担当
2016年3月には東日本大震災5年に合わせてテレビ朝日の震災報道を検証するドキュメンタリー番組を制作
2016年4月にABEMA開局に参加
現在はABEMA Primeチーフプロデューサー
社会福祉法人はばたき福祉事業団 理事
*本インタビューは2020年8月時点での取材内容となります
就活もエンタメ化! エントリーシートにAV出演
就職先にテレビ局を選んだのはどうしてですか?
入口=エンタメ、出口=社会問題ってかっこよく聞こえるけどやっていたイベントは大真面目な内容。
社会を変えることをゴールに考えた時に、もっと伝える技術をつけなきゃと思い、メディアを選びました。
いつから就活のこと考えてましたか?
全く考えてなかったので、 ES の内容はエントリーしてから考えました。笑
どんな就活生だったんでしょうか?
就活もエンタメにしちゃってました。
『人と違う経験』を書く欄があったので「AV出演」って書いたんですよ 。笑
えっ!!!
「AV出演しました」っていうと皆さんそういう顔になるじゃないですか。笑
ーーーこのカラクリを説明すると…
2003年〜2015年まで放送されていたあるチャリティーお色気番組は「エイズ予防・感染拡大防止」をテーマに募金を募り、集まった善意は全額、エイズ及びHIV感染者の支援を行う団体に寄付していた。
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その番組の寄付先のひとつが僕の入っていたサークルだったんですよ。
ラブホで流れるアダルトチャンネルなんですが、AVとAVの間の10分くらいに「寄付先はこんな活動をしています〜」とコンテンツがあって。そこに出演したことがあったので、それをちょっと盛って「AV出演」って書いたんです…笑
そういうカラクリだったんですね…笑
面接で大真面目に 「エイズが!」と言ってもウザい学生だし、採用されないなと思ったので就活もエンタメ化しちゃいました。
コロナ禍の就活は楽しい??
また、このコロナ禍ガラッと世の中が変わりそうですよね。
今就活を迎えている学生に向けてアドバイスをお願いします!
今って僕らが就活していた時よりも圧倒的に楽しいと思うんですよね。
普通は、暑い中とか寒い中とかスーツ着てとりあえず合同説明会行かなきゃいけなかったりするじゃないですか。笑
それを家に居ながら何十社の話を聞けたり、なんなら同時に聞けるんですよね !
楽な上に超楽しくないですか!?って僕は思うんです。
これまで誰も経験したことがない就活とか、学生生活を過ごせるんだ!と、むしろポジティブに捉えて、やって欲しいですね。
メディア✖️社会貢献
テレビ朝日に入社し11年目を迎える郭さん。
常に「伝える技術」を磨き続けてきました。
社会問題に向き合った学生時代、『声なき声を届けるスピーカーになりたい』という想いを抱きます。
仕事で叶えられたのでしょうか。
エイズのことは何度か放送しましたが、まだガッツリはやれていないです。
なんでかと言うと、メディアに就職する時に伝えたいと思っていた「彼らの人の魅力」をどう表現すれば良いのか、まだ描けていないからです。
薬害エイズの被害者の方たちは、一部の人間のビジネスや私利私欲のために、身体も心もボロボロにさせられて、命を奪われた人もいます。
普通人間不信になりますよね?
ですが彼らは人に感謝して、人と一緒に生きているという価値観を持っているんです。
それが僕の中では、スーっと理解できなくて、それまで考えていた“当たり前の価値観”をガチャーンとひっくり返されたんです。
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【薬害エイズ事件】
1970年代後半から80年代にかけて、血友病患者が出血を止めたり、予防するために使われていた血液製剤の中にHIVが含まれていました。
このため、血友病患者の約4割にあたる2000人がHIVに感染し、うち723人が亡くなった事件です。(2020年9月14日現在)
この血液製剤について、製薬企業や血友病の専門医がその危険性を軽視し、患者に大量投与したため、HIV感染が拡大しました。
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でも、彼らはその経験を人に伝えるために生きてるわけでも、活動している訳でもないです。
だから僕がテレビ局に入って、彼らの小さな声を多くの人に届ける拡声器みたいな仕事がしたいと思いました。
これまでのキャリアでは、エイズについて真面目に伝えることはできていますが、薬害エイズを知らない若い人にも見て貰えるようなコンテンツ案がまだ無いんです。
郭さんの中で番組のイメージは固まっていますか?
全くのゼロです。ノーアイデア。笑
HIVに感染していても、命に脅える必要はないし、堂々と顔も名前も出して、人生を謳歌できる。恋愛もできるしセックスもできるし、自分の家族も作れるという彼らのリアルな日常を伝えたいんですが、まだなかなか…。
偏見が色濃く残っているので、取材に協力してもらえる人にまだ出会えていません。
ただ、これを実現するために、今の会社に入ったので、やらないといけないなと思っていますね。
そう言いつつも、口だけになっているところが、まだこの仕事を続けているモチベーションなのかもしれないです。
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HIV=人の免疫細胞を攻撃するウイルス
エイズ=HIVによって引き起こされる病気のこと
HIV感染は「性的感染」「血液感染」「母子感染」が経路となっていて、唾液や涙、尿などの体液ではヒトに感染させるだけのウイルス量は分泌されおらず、通常の社会生活の中で感染することはありません。
次回予告
第二弾では、驚きの就活エピソードから、価値観を変えた出来事、そしてメディアで叶えたい想いまでたっぷりと聞かせてもらいました。
最終章では、メディアを目指す学生ならぜひ聞きたい!
「どんな新人が欲しい?」リアルな質問をぶつけちゃいました!お楽しみに!