環境に左右されず、やりたいことが叶えられる社会を目指して。#1〜株式会社Darajapan角田弥央さん〜
今回は、大学では薬学を専門に勉強しながらも、アフリカで起業をされた角田弥央さんにインタビューをしました!
ソーシャルビジネスをする中で、アフリカの現地の人たちとどのように関わっているのでしょうか?
第一弾では、角田さんの現在の活動について迫ります。
角田弥央(つのだみお)
明治薬科大学薬学部卒業。
在学中はエジプト・英国留学を経験。
新卒で人材系の企業に就職し、10ヶ月勤務。
2020年1月に退職し、エンドレス株式会社取締役に就任。
タンザニアにて起業家として株式会社Darajapanを立ち上げる。
*本インタビューは2020年10月時点での取材内容となります。
現在の活動
現在はどのような活動をしていますか?
日本とアフリカでの活動が主です。
日本では、医療関係の物品を扱う日系企業向けのコンサルタントや、インバウンド旅行者向けに適切なセルフメディケーションを促すコーディネーター、薬剤師の知識を活かした商品開発をしています。
アフリカでは、「アフリカ現地住民たちの雇用創出」をミッションに、「現地住民主体の経済圏を生み出す」をビジョンとして様々なプロジェクトを立ち上げています。
事業自体が日本とアフリカの架け橋役となり、アフリカ人が日本へのメッセージを投げかけていくプラットフォームとして機能します。
アフリカ現地の方々に、特定の技術を自分自身が直接教えるわけではなく、アフリカ人の経営者や起業家と日系企業のマッチングをしていきます。
アフリカ人に主体的に動いてもらいながら、 日本とアフリカにおける課題を深掘りする機会を設けながら、”人財を育てる”ことを意識しています。
また、タンザニアを中心に経済自立が実現できる社会を創るため、現地の方々と協力して事業を立ち上げました。
具体的には、街を綺麗にするバイオマス製造販売プロジェクトや医療機器・医療物資・医療人材等といった医療アクセスを最適化するプロジェクトを行っています。
様々な活動をされていますが、何を軸としていますか?
私は、薬学を学んでいたこともあり、人々の健康増進と地域住民の公衆衛生向上を軸としています。
皆さんが考える「医療」のイメージとして、「病気にかかってしまった人を助ける」があると思います。
しかし、私は「病気を防ぐための取り組みを行う予防医療」と「水、食、空気といった様々なものによって健康な生活を確保する公衆衛生」にフォーカスしています。
タンザニアでは特に、マラリア等の感染症拡大・飲料水の不足・森林伐採による空気汚染が問題なっています。
バイオマスの事業は、その問題の解決策の一つとして取り組んでいますね。
また、もう一つの軸として、「環境に左右されないで自分がやりたいことを叶え、一人一人の可能性が潰されず、多様な選択肢の中で充実度の高い働き方実現すること」を目指しています。
「社会をよくしたい」「夢をかなえたい」と思っていても経済的、精神的、社会的な理由で実現できない人がアフリカでは多くいます。
そのような人たちが、リーダーシップをとってやりたいことができるまで道筋を示して、育てていきたいですね。
現地の人との関わりのなかで
アフリカの方と接する際、何を意識されていますか?
バイアスを持たず、心と心でコミュニケーションをとることを意識しています。
固定観念から課題を決めつけて取り組むのではなく、まず何を課題としているか深掘りしてきました。
深掘りする時は、あまり喋らないようにして、ひたすら現地の人の話を聞きます。
そうすることで、お互いがオープンマインドになり、本質的な論点を掴むことができますし、ビジネスパートナーとして良い関係が築けました。
やりがいを感じるのはどのような時ですか?
自分が動くことによって、現地の人に良い変化やプラスの感情が生まれた時です。
現在行なっているバイオマスのプロジェクトは、タンザニアの女性にリーダーを任せています。
彼女やその周りの人たちから良い報告を聞けると、やってよかった、もっともっと頑張ろう、と思えますね。
また、自分が環境を整えることで、だんだんと連鎖の輪が広がり、周りの人の可能性が広がっていくことを感じます。
その実感を得て、自分も楽しく満たされながら活動をしていると、さらに活動の輪が広がっていきます。
次回予告
学生時代に得た専門性を活かして、ビジネスでアフリカの人たちの可能性を広げる角田さん。
では、なぜアフリカでの活動を始めたのでしょうか?
なぜ薬剤師や研究職というキャリアを選ばなかったのでしょうか?
第二弾では、角田さんの起業に至るまでの道のりに迫ります!