若者の声が響く社会を目指して#1~NO YOUTH NO JAPAN代表 能條桃子さん
今回インタビューしたのは、政治と社会の教科書メディアNO YOUTH NO JAPANの代表を務める能條桃子さん。
第1弾ではNO YOUTH NO JAPANでの活動内容やその活動を通してどんな社会を作りたいのかについて迫ります。
1998年生まれ 神奈川県平塚市出身
慶応大学経済学部4年
2019年にデンマーク留学を経験し、民主主義や政治参加などについて学ぶ。
留学中に日本であった参議院選挙をきっかけに、政治と社会の教科書メディア“NO YOUTH NO JAPAN”を立ち上げる。
*本インタビューは2020年7月時点での取材内容となります
現在の活動
NO YOUTH NO JAPANでの活動を教えてください
NO YOUTH NO JAPANは、「若者が声を届け、その声が響く社会へ」をコンセプトにしている、U30世代に向けた情報発信やイベント、キャンペーンづくりをしている団体です。
主な活動は、Instagramを中心にした「U30世代のための政治と社会の教科書メディア」としての政治や社会問題に関する発信です。
毎月1つテーマを決めて、そのテーマを知る入り口になるような投稿を制作しています。
また、イベントの開催、記事の執筆なども行っています。
例えば、『ジブンゴト会議』というイベントの開催です。
『ジブンゴト会議』は自分から遠いものに思えてしまう政治や社会問題を、身近に感じてもらえるように企画しています。
具体的にはファッションや結婚、最近ではコロナの10万円給付などをテーマとして取り上げました。
解決しようとしている課題と解決策
活動を通して解決しようとしている課題とその解決策について教えてください
主な課題は2つあると思っています。
1つ目は、政治や社会に声を届ける文化がないことです。
政治や社会が自分で変えられると思えないから、声を届けることのハードルがとても高くなっていると感じます。
このことは若い世代の投票率の低さに表れていて、20代の投票率は30%しかありません。
2つ目は、政治を話すことに良いイメージがないことです。
政治について話すと「意識高い」と言われたり、話すこと自体がちょっとダサいと思っていたりする人もいると思います。
だからそんなイメージを変えていきたいです。
もっと政治がポップでクールで親しめるものになるように活動を行っています。
ニュースサイトのような独自のWebメディアを持たずになぜSNSで発信しているのですか?
普段、政治に関わりがないと思っている人たちへ届けるためです。
日本では選挙に関するわかりやすい情報を大手メディアが発信しています。
しかし、これらの情報を知らない若者も多いです。
理由としては、情報を得る入り口がないからだと考えています。
政治に関心があって、日頃から検索している人にしか、大手メディアからの情報が届かない現状があります。
検索エンジンに『政治』や『選挙』というワードを入れない人に届けなければいけません。
そのため、SNSが最適だと思って発信しています。
作りたい世界
活動を通して作りたい世界(社会)を教えてください
若者が社会や政治に声を届け、その声が響いている社会です。
今、アメリカやヨーロッパでは気候変動に対する若者のムーブメントが起きていて、投票が声を届ける一つの手段だと捉えられています。
気候変動に関する政策をしっかりと行う政党にみんなが投票するという動きがあり、実際に政策は変わってきています。
若い世代の投票率も急激に上がっているんですよ。
私が留学したデンマークは、若い世代の投票率が80%を超えています。
デンマークで会った若い子たちが『声を届ければそりゃ世界は変わるでしょ。やらない理由はないよね。だって変わるんだもん。』と平気で言っていたのがうらやましかったです。
その状況を目の当たりにして、「日本もこんな風になったら!日本でも取り入れたい!」と思いました。
日本に住む人たちは、自分たちが声を上げても届かないし、社会を変えられないと思っている人が多いのではないでしょうか。
もちろん変わりにくい状況もあるけれど、日本でも小さな変化がたくさん起きています。
だからより多くの人が声を上げると変わっていくことがあると思います。
活動の原動力
活動をする上で能條さんの原動力になっているものはありますか?
何もしないで20年後も同じ現状があった時に、あの時もっと取り組んでおけばよかったと後悔するなという思いですね。
若者の投票率の低さは1人で解決できる問題ではなく、様々な分野からのアプローチが必要です。
若者の投票率の低さを問題視して、それをどうにか解決していこうという”もがき”の一部にいることに自分の存在価値を見いだしています。
何になるかではなく、「今、自分が何をしているか」を大切にして動いていたいと思っています。
第2弾ではNO YOUTH NO JAPANの内部に迫ります!!