NO YOUTH NO JAPANの内部に迫る!!#2~NO YOUTH NO JAPAN代表 能條桃子さん
今回お話を伺ったのは、政治と社会の教科書メディアNO YOUTH NO JAPANの代表を務める能條桃子さん。
第2弾では団体の立ち上げやどのようにメンバーのモチベーションを高めているのかなどについてお届けします。
NO YOUTH NO JAPANでの楽しそうな取り組みが満載です!
能條 桃子
1998年生まれ 神奈川県平塚市出身
慶応大学経済学部4年
2019年にデンマーク留学を経験し、民主主義や政治参加などについて学ぶ。
留学中に日本であった参議院選挙をきっかけに、政治と社会の教科書メディア“NO YOUTH NO JAPAN”を立ち上げる。
*本インタビューは2020年7月時点での取材内容となります
団体の立ち上げ
どのようにして団体を立ち上げたのですか?
2週間のプロジェクトとして、昨年7月の参議院議員選挙の時に立ち上げました。
私のTwitterやFacebookで「NO YOUTH NO JAPANという活動を始めたいから一緒にやりたい人はライングループへ」と呼びかけ、最終的には400人ほど集まりました。
最初の呼びかけで集まった100人くらいが自分たちのSNSで拡散してくれたんですが、まさかこんな人数が集まるとは思っていませんでした。
でも、それだけ若い世代の投票率の低さに問題意識は持っているけど、やり方が分からないし、自分で団体やNPOを立ち上げるほどではないという人が結構いたのだと思います。
その後、活動を続けていきたい人やコミットできる人が残って、今は60人ほどで活動しています。
コンテンツを作る上での意識
コンテンツを作る上で意識していることはありますか?
意識していることは、2つあります。
1つは、わかりやすくポップにすることです。
政治の堅くて難しいイメージを出来る限り壊していくように意識しています。
そのためにデザインはプロのデザイナーさんに手がけてもらっています。
もう1つ、大切にしていることは多様な意見を紹介することです。
わたしたちが何か特定の意見を発信して見てくれる人を誘導するのではなく、中立に発信するようにしています。
中立であると言っても『積極的中立』とNO YOUTH NO JAPANでは呼んでいます。
『こういう意見もあるし、他にもこんな意見があります。あなたはどう思いますか?』
『あくまでも意見を決めるのは見ている人たちである。』
これらのスタンスが『積極的中立』にあたります。
逆に、学校で政治について教えないことは『消極的中立』だと私は思っています。
高校までで、政治の仕組や制度については学んでも、投票先の選び方や意見の持ち方については、何も習ってきませんでした。
今思えば、先生の意見に生徒が影響を受けないようにするためだと思います。
しかし、それでは意味がないと感じています。
そのためNO YOUTH NO JAPANでは『積極的中立』を重視し、多様な意見を紹介しています。
メンバー同士の繋がり
メンバーのモチベーションを高めるために行っていることはありますか?
横の繋がりを持つことです。
プロジェクト以外の機会でも仲を深めることで、メンバーのモチベーションが高まると思っています。
特にSlack上での、メンバー間でコミュニケーションにはこだわりがあります。
Slackでは『天才か!』や『わくわく!』といったオリジナル絵文字をたくさん作っていて、投稿へのリアクションにみんなが積極的に使っています。
また『ハッピーシェア』や『モヤモヤシェア』というSlackのチャンネルを開設しました。
『ハッピーシェア』は友達がフォローしてくれたこと、著名な方に投稿がシェアされたこと、活動の中でメンバーに感謝したいことなど、嬉しかったことをみんなでシェアするチャンネルです。
『モヤモヤシェア』ではモヤモヤするニュースや出来事などを共有しています。
気持ちを共有できることで、お互いのプロジェクト以外での一面を知れているなと感じます。
slack以外での取り組みはありますか?
slack以外では毎週、オンラインでご飯を食べながらおしゃべりする「定例ご飯会」があり、メンバーが持ち回りで企画を考えています。
また、『お遊びラジオ』ということもやっています。
毎回メンバーを数人呼んで『どうして団体に入ったのか』や『どんなことに興味があるか』という話をして団体内で公開するものです。
ほかにもフェローシップという制度もあります。
Instagram、記事など活動のためのチームではない、学校のクラスみたいなものです。
このフェローシップで、悩みがあった時に相談できるような環境を作っています。
私は団体の代表なのでいろいろな人と話しますが、そうでないメンバー同士も接点を持てるようにしています。
ビジョンに向けて頑張るだけではなくメンバー同士の繋がりも大切にして居心地の良い組織作りを意識されているんですね。
そうですね。
数ヶ月前まではNO YOUTH NO JAPANを『活動団体』と呼んでいました。
しかし、今は『参加型デモクラシーという同じ価値観を共有したコミュニティ』であり、『価値観が社会に広がるように活動する団体』としています。
活動のための団体であるだけじゃなく、NO YOUTH NO JAPANでは、実現していきたい社会を体現したり、居心地の良い場所をメンバーでつくり上げたりしています。
そのような意味で、『コミュニティ』という要素があることを明記しました。
困難だった経験
活動していく中で『困難だった』と思う体験はありますか?またそれをどのように乗り越えましたか?
組織の成長が感じられない時期があったことですね。
2019年参議院選挙のときにInstagramのアカウントを作ってから、3週間ほどでフォロワーが1.5万人まで達しました。
しかし、フォロワーが1.6万人になったのは、実は今年の3月で、8ヶ月ほど伸び悩んでいたんです。
その時期は、活動していても選挙がなければ盛り上がらないのかと感じていました。
この時期を乗り越えられたのは、試行錯誤を続けたからだと思います。
2019年には、毎月1つのニュース解説を行っていました。
しかし、労力がかかる割にそのニュースに興味のある人にしか届かないのが課題でした。
そこで2020年からは貧困やジェンダー、教育など月別のテーマ投稿にしています。
また、Black Lives Matterや新型コロナウイルス、東京都知事選など、話題になっているトピックも積極的に投稿に取り入れました。
このように試行錯誤しながら投稿内容を変えたことで、フォローしてくれる人が4.6万人までに増えました。
第3弾ではNO YOUTH NO JAPANのこれからや社会課題解決に取り組む学生へのメッセージをお届けします!