度の転職でアフリカに関わる仕事ができた背景♯2〜株式会社AAIC Holdings一宮暢彦さん〜
今回は株式会社AAIC Holdingsでヘルスケア分野の投資ファンドを担当されている一宮暢彦さんにお話を伺いました。
第二弾では、商社マンからアフリカヘルスケア投資ファンドへの2度の転職について詳しくお伝えします!
*本インタビューは2020年6月時点での取材内容となります
商社からスタートアップへの転職の経緯
商社から転職を考えたきっかけを教えてください。
アフリカと関われるまでに時間がかかると思ったことです。
転職をする時点で私は総合商社でUAEアブダビの事業会社で駐在の3年目をむかえるところでした。
海外の事業会社でグローバルビジネス環境で経験を積みたいと考えていた私にとっては希望通りのキャリアを歩んでいました。
しかし、入社時に志していたアフリカでの事業に関わることはなかなかできませんでした。
また、同じ会社や他の会社の駐在員の方々と接する中で、この先の人生も想像できてしまい、自分の人生に蓋をしたような感覚があり、これでよいのか?と考えるようになりました。
当時30歳を迎えて、この瞬間に動かないともう現状が変えられないと思い、転職を決意しました。
アフリカのスタートアップに就職を決めた理由を教えてください
まず転職を考えたときに、アフリカでゼロからビジネスを作ることに携わりたかったからです。
転職先を探す時、まず「アフリカ 転職」とネットで検索し、転職先の日系のIT企業がアフリカ事業部を立ち上げていることを知りました。
その事業部のホームページにはライオンやキリンが写っており、具体的な事業の計画が何も決まっていないように見えました。
一方でその企業のトップがアフリカにコミットすることを決めている、当時の私には非常に魅力的でした。
ちょうどその企業がルワンダのEコマースを開発・運営するスタートアップに出資をして、マネジメントを日本から送り込む予定でCFOのポジションが空いているという話がありました。
前職での経験を生かし、現地の起業家/CEOをサポートしながらアフリカでの新しい事業の開発に関われるこれ以上ないポジションだと思い手を挙げました。
スタートアップから現職へ転職した経緯
現職へ転職した経緯を教えてください。
そのスタートアップで2年ほど、業務に携わりましたが事業を計画通りに成長させることはできませんでした。
事業を縮小させるという方針を本社からもらい、帰国を命じられました。
アフリカに懸けることを決めて転職したのに、1度うまくいかなかったからといって他の仕事をすることは自分には考えられず、アフリカビジネスで自分の経験を生かせる場所が他にないかと考える中で今の会社であるAAIC Holdingsに出会うことができました。
幸運なことに他の会社からもアフリカでの新規事業開発担当としてのお話をいただいていました。
しかし、自分のアフリカでの最初の関わりがPLASでのHIV/AIDSというヘルスケア関連だったということと、商社での投資サイドでの経験とルワンダでのスタートアップでの経験を生かせるということでAAICにに決めました。
転職をしていく中で困難だったこと
転職活動をする中で困難なことはありましたか?
周りに驚かれ、上司や親には反対はされましたが、商社からの転職は正直大変ではありませんでした。
大学を卒業するときに立てた「民間と非営利両面からアフリカと関わりアフリカと一緒に成長していく人間になる」という自分のミッションに沿うための決断だったからです。
自分の中で意識的に決まっていたことなので、意志は揺らぎませんでした。
それに比べ現職への転職の方は、そのミッションをどう達成するかというHowの部分を問われるものだったので悩みは大きかったです。
今は自分が勝負するべき場所を決められて進んでいるところですが、今でもアフリカの投資ファンドの世界で突き抜けなければならないという危機感はつきまとっています。
しかし、キャリアに関する悩みは尽きないものだし、不安や悩みは原動力の一部になるものだと思えるようになっています。
転職活動で大切にしていること
転職活動をする上で意識していることを教えてください。
転職活動では、転職する企業に自分のこれまでの経験を評価してもらい、自分が挑戦、実現したいことと会社・組織として実現したいことを擦り合わせることがが大切です。
これまで2回転職しましたが、幸運だと思いますがいずれも自分のそれまでの経験を生かしながら、個人としてやり遂げたい新しい挑戦ができる場所を見つけることができました。
AAICに転職した際も、商社での投資事業、ルワンダのスタートアップのマネジメントの自分の経験をベースに、AAICのヘルスケアファンドの事業にいかに貢献できるか、さらに自分の新たな挑戦として、アフリカ最大の市場で大きな可能性を秘めるナイジェリアの開拓をしたいという話を面接で話しました。
次回予告
最終章では社会貢献を視野に入れた就活をする読者に向けて一宮さんからのメッセージをお届けします。