常に自分らしい国際協力の形をアップデートし続ける#2~田才諒哉さん~
田才諒哉さん第2弾!
様々な形で国際協力に携わり、2020年からはJICA海外協力隊として国連世界食糧計画(United Nations World Food Programme)で働かれている、田才諒哉(たさいりょうや)さん!
前回の『#1.きっかけはシンプルな想い』に引き続き、今回は、『#2.複雑で不確定な未来だからこそ今できること。』というテーマで、社会貢献を仕事にする彼の国際協力への考えや必要なスキルに迫ります!
田才諒哉
大学生の時に、青年海外協力隊としてアフリカのザンビア、NGOの駐在員としてパラグアイへ。
その後、IT系の民間企業へ就職。そこで1年間コンサルタント業務を経験。
そののち、NGO駐在員としてスーダンへ1年間渡航。
パラグアイではICTを活用した新しい教育システムの導入や学校建設のプロジェクトを、スーダンではJICAと巡回診療プロジェクトやWFPと共に栄養改善のプロジェクトを担当。
それからイギリスの大学院で開発学の修士を取得。
現在は、国際協力サロンの運営やファンドレイザーの活動、さらには「国際協力カフェ」を世界各地でOPEN。2020年1月よりJICA海外協力隊としてWFPマラウイ事務所に勤務。
*本インタビューは2019年12月時点での取材内容となります
複雑で不確定な未来だからこそ今できること。
国際協力の仕事での失敗経験はありますか?
失敗かどうかは、結局すぐには分からないというのが僕の考えです。
パラグアイで学校建設のプロジェクトで、インタビューの結果、「学校は建てない」という結論に至ったんですね。
だけど村の人たちは、学校を建てるものだと思い込んでいたので、信頼を失い当時は失敗だと感じていました。
それは認識のずれであったり、インタビューの仕方であったり、小さなことが積み重なって起きた結果だと思うので、僕らに問題があったと責任を感じていました。
しかし、5年後再びその村を訪れたら、以前よりも村の雰囲気がよくなっていると感じました。
その時に「学校を建てない選択も、失敗ではなかったかもしれない」と思いました。
もちろん僕自身のバイアスが入っているとは思いますが、その時失敗したと思ったことが本当に失敗だったかは、何年も経たないと分からないこともあると実感しました。
なので、自分の選択したチョイスが失敗だったと言い切るのは難しいですね。
活動する上で大切にしている考え
活動をする上で大切にしている価値観・考えはありますか?
「その時にできるベターなチョイスをする」ことですね。
国際協力の活動において、様々な要素において複雑な状況がほとんどです。
そういった中でベストな判断を下すことは難しいです。
できる限り多くの情報を集め、できる限り考慮したうえで、その時のベターなチョイスを迅速に下すこと。
いくら悩んでもベストな状況を出すことは難しいので、どこかでラインを切って判断を下し、行動する。
それを繰り返していくしか、国際協力は進まないと考えています。
これは、働くうえですごく大切にしています。
「その時できるベターな判断を」という考えに至った出来事はありますか?
スーダンで医療支援を行っていた時に、判断が遅れると命に関わる状況が多く、そこで実感しました。
いろいろ問題がある中で、正解はないと思うんです。
その場その時の状況を考えて、できるだけ早く判断しないと、次の問題への対策が立てられないなと思いましたね。
国際協力をしていく上で必要なスキル
国際協力をしていくうえで必要と感じるスキルはありますか?
自分の「専門性」をつけることは大切だと思います。
僕でいうと「栄養」「食糧安全保障」の分野になりますね。
あとは当然、「語学力」は必要です。
英語以外に国連公用語の一つ二つはビジネスレベルでできないと戦っていけないと感じています。
僕は今、英語とスペイン語ができるのですが、それだけだと例えばフランス語圏の西アフリカでは働くことが難しいかもしれません。
あくまでも語学はツールなので、それが理由で働く幅が狭まるのはもったいないし、言語スキルが上がることによって、得られる情報や現地の人とのコミュニケーションは相当変わってくると思います。
さらに自分の「思考力や観察力」なんかも大切です。
このスキルを身につけるためには、ロールモデルとなるような人を見つけ、その姿を見て学んでいくのも良いのではないかと思っています。
*本インタビューはJICA海外協力隊派遣前に実施したものです。
*現在、オンラインサロン「国際協力サロン」の運営は、一般社団法人Gradationによって運営されています
田才さんについてより詳しく知りたい方はこちら👇
http://www.ryoyatasai.com/
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