インドで感じた「大きな格差」#1 ~JICA 原祥子さん~
今回インタビューしたのは、JICAでアフリカの中小企業支援をしている原祥子さんです。
第1弾では、『インドで感じた「大きな格差」』をテーマに、原さんがアフリカの社会問題に興味を持ったきっかけや、現在取り組んでいらっしゃることについてお伺いしました。
原 祥子
大学でBOPビジネス&ICT4Dについて勉強。米国Bellevue大学1年留学。
新卒でICT企業で法人営業。
その後、アフリカの現場をみたいと、海外協力隊としてマラウイでコミュニティ開発として活動。
現地の方60人と炭ビジネスを構築。
その後は経験をアカデミックから見直すため、英国サセックス大学IDS Globalisation, Business and Developmentにて修士取得。ICT4D×アフリカ×農業について研究。
2ヶ月WASSHA株式会社にてインターン。
現在は国際協力機構(JICA)に所属。
*本インタビューは2020年5月時点での取材内容となります
現在の活動
現在の活動を教えてください。
マラウイでの協力隊を経て、現在はJICAで主にアフリカの中小企業・スタートアップ支援をしています。
支援を行う背景には、アフリカ諸国が抱える経済振興への障壁があります。
例えば、アフリカの多くの国では不安定な情勢により外資がなかなか入らず、企業の成長が難しいです。
また、法整備が不十分であったりインフラが不安定だったりする国もあるため外資の誘致が難しいなど、様々な問題があります。
そのため、企業力の向上、労働機会の増加、ひいては経済の発展に必要な援助をおこなっており、プロジェクトの立ち上げからモニタリングなどを行っています。
現在の活動を志したきっかけは何ですか。
大学時代にバックパッカーとしてインドのマザー・テレサの「死を待つ人の家」に行ったことがきっかけです。
「死を待つ人の家」は、貧困や病気で弱っている人の最期を看取るための施設です。
そこに訪問してみて、「世界にはこんなにも理不尽な環境で生きている人がいるのか」と驚きました。
以来、生まれた場所の違いにより格差があることに疑問を抱き、ビジネスの面から経済格差の是正に携わりたいと思うようになりました。
また、中でもアフリカを選んだのは、日本と異なる点が多くあり興味深く感じたからです。これから成長が期待される地域であるアフリカは、私にとって魅力的です。
活動をするうえで必要なこと
現在の活動をする上で必要だと思うことは何ですか。
専門性が求められます。
例えば、ビジネスに関するプロジェクトならば会計に関する知識、農業の従事者に向けたものならば農業の知識が必要です。
また日本で得た知識や経験を、現地にカスタマイズしていける柔軟性も大切だと思います。
困難だった体験
活動をするうえで困難だったことを教えてください。
現地を理解することに難しさを感じました。
自分になじみのない場所でそこの状況を理解することは簡単にできないなと思いました。
もし自分が現地の人だとしたら、突然に外から来た人に自分たちの悩みを話せるでしょうか?
本当に打ち解けて関係性を築いた時に、徐々に本音で話せるようになると思います。
だから、現場を理解するために、現場の人と信頼を築くことが大切です。
第2弾では協力隊とJICA,それぞれの活動の特徴に迫ります。
将来どのように国際協力に携ろうか悩んでいる方、必見です!